「自閉症児と父の日記」
真切の出発を前に
中村真切・中村義則著
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「はっかきょじない」
「ぬめちせきこれ」
僕は大声で
「からはりはわのこどもたちは」
と言いました。 すると昨日と今日が落ち着きました。
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本書・帯より
あなたの門出に際して「自閉症児と父の日記」というさわやかな作品が生まれたことを、私はとても喜んでいます。あなたのとぎすまされた感性でみた世界が、生きている絵のように眼前に展開されてきました。
(開波羅久世・精神科医)
中村義則は、可哀想な奴だ。”詩人”でありながら、詩を書く才能が無い。然し、彼は良い奥さんに恵まれた。そして、良い家族を得た。今も、浅草の浅草寺側に生き続ける、この”化石的家族”が、実に”古代の光”を放っていることは、この書物を読んで頂ければ、お分りのことと思う。
(沖島勲・映画監督)
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自閉症児と父の日記
真切の出発を前に
中村真切・中村義則著
ISBN4-8068-0330-8 柘植書房
四六判上製 258ページ 2000円
中村真切、二〇歳。障害者施設への出発を目前にひかえた一ヵ月半を綴る父子の心あたたまる日記。子どものごく短い日記の行間を父の想像の翼で補った父執筆の「真切の日記」には、精神科医も讃辞をおしまない。解説・帝京大児童精神科医 開波羅久世。
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■芸術家の目で自閉症描く
「自閉症」と診断された息子のメモや絵を基に「代筆」した日記と、父親自身の日記で構成した「自閉症児と父の日記」(柘植書房)を東京在住の中村義則さんがまとめ、仲間たちによる出版記念会が開かれた。
会社勤めの傍ら映画作りや詩作を続けてきた中村さん。二十歳の息子が施設に入る直前の一ヶ月半を描いた感動的な作品に仕上げている。
主治医の精神科医、開波羅久世さんが「学者や医学の本ではなく芸術家の目が自閉症児への世の理解を助ける」と乾杯の音頭をとれば、友人の映画監督、中島薫さんは「小説でもなく手記でもない。その方法論も議論したい」。
当の中村さんは「息子が施設に行くことが決まるまで、頑張るお母さんのそばでおろおろする父親だった。これからは自閉症児のことも何か言える父親になりたい」とあいさつした。
1993年(平成5年)12月22日
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■「自閉症」当人の声 相次ぐ出版、部数伸ばす
自閉症と診断された著者による出版が、このところ相次いでいる。自らの過去を振り返ったものや、本人の日記を父親が補う形式をとったものなど。いずれも自閉症の理解につながれば、という狙いからの出版で、着実に部数を伸ばしている。
・・・(中略)・・・
自閉症の息子の日記をもとに、日常生活を描いた「自閉症児と父の日記」(柘植書房)は、二十五歳になる中村真切(まきり)さんと父義則さんの共書。巻末には、真切さんの治療と成長の記録がついている。
1994年(平成6年)5月22日 読売新聞
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