PleskでNextCloud(OwnCloud)セットアップとamazonS3接続で無限ストレージ

NextCloudをPleskにセットアップ。そして、amazonS3ストレージサービスを接続する。 
Plesk Onyx バージョン 17.8.11 Update #16 
CentOS Linux 7.5.1804 (Core)‬

## phpの実行タイプ

FPMアプリケーション＋nginx よりも FPMアプリケーション＋Apache の方がセットアップが簡単なのでこちらで行う。

## https設定

Lets Encrypt 設定。HTTPからHTTPSへの恒久301リダイレクト設定にしておく。

## MySQLデータベースを用意

データベースを1個作成しておく。

## NextCloudインストール

<a href="https://nextcloud.com/install/" target="_blank">https://nextcloud.com/install/</a> 
NextCloudダウンロード。Pleskのファイルマネージャからアップロードして圧縮解除するならzip形式が便利。 
今回のバージョンは、NextCloud 13.0.5

ドキュメントルートに圧縮解除する。nextcloudというディレクトリ内に各ファイルが展開される。 
今回はnextcloudディレクトリ名をncにリネームした。 
データ用ディレクトリを別途作成しておくとよい。

## NextCloud初期設定

https://example.com/nc/ 
へアクセス。

ユーザー名とパスワードを決めて入力。 
詳細設定でデータディレクトリとDB情報を入力。

## Pleskの詳細設定

NextCloudにログイン出来たら設定を開く。セキュリティ＆セットアップ警告を解消していく。

### /dev/urandom is not readable

メッセージ： 
/dev/urandom is not readable by PHP which is highly discouraged for security reasons. Further information can be found in the documentation.

PHP設定 > open_basedir で、
{WEBSPACEROOT}{/}{:}{TMP}{/}　を、以下に書き換える。

```
{WEBSPACEROOT}{/}{:}{TMP}{/}{:}{/}dev{/}urandom
```

### HSTSを有効にする

メッセージ： 
Strict-Transport-Security HTTPヘッダが、最低でも 15552000 秒に設定されていません。セキュリティを強化するには、セキュリティTipsで解説しているHSTSを有効にすることを推奨します。

Apacheとnginxの設定 > nginx追加ディレクティブ に、以下を追加する。

```
add_header Strict-Transport-Security "max-age=15552000" always;
```

### PHP OPcacheを設定

メッセージ： 
PHP OPcacheが適切に設定されていません。よりパフォーマンスを向上させるには、php.iniで以下の設定を推奨します: 
opcache.enable=1 
opcache.enable_cli=1 
opcache.interned_strings_buffer=8 
opcache.max_accelerated_files=10000 
opcache.memory_consumption=128 
opcache.save_comments=1 
opcache.revalidate_freq=1

PHP設定 > 追加構成ディレクティブ に、以下を追加する。注意：この後変更する。
```
opcache.enable=1
opcache.enable_cli=1
opcache.interned_strings_buffer=8
opcache.max_accelerated_files=10000
opcache.memory_consumption=128
opcache.save_comments=1
opcache.revalidate_freq=1
```

### メモリキャッシュ設定

メモリキャッシュが設定されていません。可能であれば、パフォーマンスを向上するため、memcacheを設定してください。より詳しい情報はドキュメントで参照できます。

これについては、こちらに書かれている通りPleskからは設定できず手動で設定が必要らしい。 
https://support.plesk.com/hc/en-us/articles/115000065409-How-to-install-uninstall-memcached-or-memcache-extension-for-PHP-on-Plesk-server- 
よって、今回はこのまま使用することにした。

## ログ確認

nextCloudのログを確認すると以下のメッセージが30秒ごとに記録されていることを発見。

メッセージ： 
Zend OPcache can't be temporary enabled (it may be only disabled till the end of request) at Unknown#0

これは、PHP設定 > 追加構成ディレクティブ で記述した opcache.enable=1 が余分だという事が判明。よって、 
PHP設定 > 追加構成ディレクティブ は以下の通り書き換え。
```
opcache.enable_cli=1
opcache.interned_strings_buffer=8
opcache.max_accelerated_files=10000
opcache.memory_consumption=128
opcache.save_comments=1
opcache.revalidate_freq=1
```

以上でnextCloudの設定は完了。

## amazon S3 の用意

S3で新規バケットの作成。バケット名を決めて、リージョン選択。その他は初期状態でOK。 
バケット名は jp.example.nextcloud で作成したと仮定する。

## amazon IAM の用意

IAM(Identity and Access Management)でS3の今回作成したバケットへのアクセスユーザーを作成する。

### IAMでポリシーの作成

ポリシー内容は以下の通り：
```
{
    "Version": "2012-10-17",
    "Statement": [
        {
            "Sid": "VisualEditor0",
            "Effect": "Allow",
            "Action": "s3:*",
            "Resource": [
                "arn:aws:s3:::jp.example.nextcloud",
                "arn:aws:s3:::jp.example.nextcloud/*"
            ]
        }
    ]
}
```

ポリシー名は S3NextCloudAccess とした。

### IAMでユーザーの作成

ユーザー名は S3JpExampleNextcloudAccess とでもしておこう。 
アクセスの種類は「プログラムによるアクセス」をチェック。

「既存のポリシーを直接アタッチ」で、先ほど作成した S3NextCloudAccess を選択する。

最後にアクセスキーとシークレットキーが出力されるので控えるか、CSVをダウンロードしておく。

以上でAWSの準備は完了。

## nextCloudで External storage 設定

ここまででNextCloudの初期設定が完了し、AWS S3 と AWS IAM が用意できた状態。

nextCloud のアプリ追加で External storage を有効にする。

以下の情報を登録する
```
バケット名：jp.example.nextcloud
ホスト名：s3-ap-northeast-1.amazonaws.com　(東京リージョンの場合)
リージョン：ap-northeast-1　(東京リージョンの場合)
アクセスキー：(アクセスキー。20桁程度の英数字)
シークレットキー：(シークレットキー。40桁程度の英数字記号)
```

チェックマークをクリックして緑色のマークが出れば接続完了。

## AmazonS3接続確認

ダッシュボード(トップページ)に、AmazonS3フォルダが出来上がる。 
この中にファイルを保存してAWS内にファイルが保存されたことを確認しよう。

## 画像のプレビュー

画像のプレビューファイルが生成されるが、デフォルトではほぼ実寸のプレビューが生成されてしまう。 
これではS3を保存領域に指定した意味が無いし、表示速度も遅い。プレビューファイルが1ファイル1MBなどありえない。よって、config.php に以下の設定を追記する。

config/config.php に追記
```
'preview_max_x' => 500,
'preview_max_y' => 500,
```
これで画像プレビューは500x500px以下のサイズで生成される。これでも1個当たり30～50KB程度になってしまう為、プレビュー最大サイズをもっと小さくしてもいいだろう。

一旦生成されたプレビューはデータディレクトリ内のpreviewディレクトリを探そう。 
プレビューを作り直すには、プレビューディレクトリ内を消去してしまって、再アクセスで再生成される。アクセスできないというメッセージが出る場合があるが、ブラウザのリロードで再生成される。

## ごみ箱内ファイル(削除済みアイテム)の保存期間

初期状態は、auto。 
「ファイルとフォルダをゴミ箱に30日間保管し、スペースが必要な場合はいつでも自動的に削除。(スペースが不要な場合はファイルが削除されないことがある)」

ごみ箱にファイルを長期保存したくない場合は以下の様に変更できる。 
この設定の意味は、「基本動作はautoだが、最長保存期間を1日にする。」

config/config.php に追記
```
'trashbin_retention_obligation' => 'auto,1',
```

その他指定方法あり。

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